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研修レポート

2024年2月28日
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その3 生徒たちとコミュニケーションをとれるのか?

特別支援学校の授業見学では、通常授業の国語と英語、そして私が担当する(かもしれない)
ビジネスマナーの授業を見学しました。

授業を見学した最初の感想は「私でもコミュニケーションがとれるかもしれない」。
ほんの少しですが希望を感じました。
生徒たちのコミュニケーション能力は「中学1年生程度」と聞いていましたが
実際はそれ以上の生徒もいます(それ以下の生徒もいる)。
「私でも授業は展開できる!かな・・・」とイメージはできました。
(しかし、不安は消えない)

授業見学後には「現状を整理して、条件が合えば応募してみよう!」という気持ちになっていました。
学校見学の前と後では、私の気持ちは180度!変わりました。

無事に選考が通り、4月から私が教えることが決まり、ほっとしたのも束の間、すぐに不安が出てきました。
「カリキュラム、具体的にどうする??」。
学校からのリクエストは、「時代に合ったビジネスマナーとコミュニケーション」。
「これまでの授業内容は気にせず、一新してほしい」
「今の時代、現状に合った授業を展開してほしい」というリクエスト。
これ以外は、ほぼおまかせの状態。
生徒たちの状況をほんの少しわかっただけで、私が全て組み立てなければならない。
さて、何から始めれば良いのか・・・

まずは情報収集、特別支援学校向けの書籍や資料集め。
担当の先生に質問しながら、カリキュラムの素案を考え始めました。
教える対象者の詳細の状況が把握できてない。
こんな状況でのカリキュラム作成は、困難を極めます。でも、やるしかない。
わからないことは質問して、教えていただきながら、少しずつ形にしていきました。

2024年2月21日
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その2 第一印象は「きれいな学校!」

特別支援学校見学の際、校舎に入って最初の感想は、「学校がきれい!」

こんなに清潔感のある学校は初めて見た!と思うほど、掃除が行き届いていました。      学校に清潔感がある理由は、生徒が日々清掃をしているからです。

最初に、この学校の特色である学習コースについて説明します。

2年生から生徒がコースを選択し、授業を受けます。コースは、以下の通り。

➀流通・サービス系列
・ビルクリーニング(清掃)コース
・ロジスティクス(物流)コース

➁事務コース

➂家政・福祉系列
・食品コース
・福祉コース

学校が美しい理由は、ビルクリーニング(清掃)コースの生徒たちが授業で、毎日学校を掃除しているから。ビルクリーニングコースの授業では、清掃のプロの方が授業の中で、効率的な清掃方法についてレクチャーします。生徒は練習として学校を掃除し、清掃のスキルを身につけていくのです。

この学校で学ぶ生徒たちの目標は、卒業後の就労です。                           卒業後に働くために、必要なスキルを学校で身につけます。

それぞれのコースで学ぶ内容についてです。
➀流通サービス系のロジスティクス(物流)コースでは、包装、流通加工中心に、食品の入出荷及びメール便作業の基本、企業からの受注作業ができるようにする。

➁事務コースでは、事務作業の基本の習得を目指す。校内外からの委託作業を受ける、また検定を受け資格取得に向けて学ぶ。

➂家政・福祉系列の食品コースでは、厨房での食器洗浄や食材の下処理や調理、カフェでのドリンク作りそして接客についても学ぶ。福祉コースでは、介護業務の基本知識と技能を学ぶ。

学校見学の際、上記のような学校のしくみや学習環境、学習内容を教えていただきました。詳細の説明がありましたが、私にとっては“初めてづくし”という状況。「何となくわかった」というのが見学後の率直な感想でした。

そして、いよいよ授業見学の時間になりました。

(次回に続きます)

2024年2月13日
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就労を目指す知的障がいのある生徒と共に その1

昨年(2023年)の4月から、都立の支援学校の高等部の生徒たちに             ビジネスマナーとコミュニケーションの授業を教えています。               私が教えている生徒たちは軽い知的障がいのある生徒たち。                軽い知的障がいとは、IQ70位(小学校6年生~中1くらいの知能)です。              実際の所、生徒たちの能力には幅があります。

教え始めて10か月が経過し、各学年一通り授業を行いました。               彼らに教えることについて、ようやく私の中で整理ができつつあります。          (整理できないこと・把握出来ない事の方が、まだ多い)。

教え始めてすぐに思ったことは、「特別支援学校の生徒たちとのコミュニケーションの留意点を整理、そして記録にした方がよい」ということ。                     自分のために整理しようと思いました。

これから7回ほど、シリーズとして、知的障がいのある生徒とのコミュニケーションについてレポートいたします。
「“発達障害のグレーゾーン”の人が7人に一人いる」と言われている今、指導・育成する上での参考にしていただければ幸いです。

最初に、私がこの学校で教えることになった経緯です。
きっかけは、知り合いから「特別支援学校で特別講師の公募がある」と教えてもらったこと。 当初は、「興味はあるが、自分が特別支援学校で教えるイメージが全くつかない」という状態でした。                                          これまで、私は知的障がいのある方との接点が少なく、そもそも関わり方がわからない。そんな私に公募の資格があるのか。                              学校見学の機会があるということで、ひとまず学校へ行ってみることにしました。                               「自分が知らない世界を、知ることができる絶好の機会!自分の勉強のために、まずは学校へ行ってみよう」と直観的に思い、すぐに学校見学の日程を決めました。