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研修レポート

2024年3月22日
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その5「伝わっている」と思い込まない

授業が本格的にスタートする前に、校長先生と話す機会がありました。

「授業を進行する中で、生徒とのコミュニケーションで、注意すべき点は何ですか?」と
校長先生に質問をすると
「自分が伝えた内容が、伝わっていると思いこまない」というご回答でした。
例えば、軽い世間話のような会話や、深堀していない内容の会話は
軽い知的障がいがある彼らとも可能。コミュニケーションは成立します。
しかし、少々複雑な話をした際の「わかった?」と確認した時の
彼らの「わかりました」という返答は、「聞きました」という意味の場合が多い。
つまり「理解は出来ていないけれど、聞きました」という意味となる。

「わかりました」=「聞きました」が多いことを留意して
指導を進める必要性を教えていただきました。

この「相手が本当に理解しているか、確認する」という点は、相手が健常者でも必要です。
特に新人に対しての、「わかった?」は禁句にしても良い位です。
相手の理解度を確認する際の「わかった?」という問い。これは便利で使いがちな言葉です。
しかし「わかった?」と訊かれると、わかってなくてもつい「わかりました」とうなずいてしまう。
あるあるです。
また、この「わかった?」という問いは、「どのように答えたらわからない」と言う新人はとても多い。
曖昧な問いで具体的でない質問は答えにくいとのこと。

しっかりと理解させたい内容を教える場合は「1つ教えたら止めて、相手の理解度を確認する」。
相手の理解の確認の言葉がけは、「ここまでの所で、わからないことはない?」と範囲を限定して確認する。
途中で止めて確認するため、時間を要します。
しかし、この丁寧な進め方が、相手の理解度を高めるため、早く身につけることができる。
「急がば回れ」は、教育では必須です。