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研修レポート

2024年5月16日
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2024年ビジネスマナー研修の状況

今年、2024年の新人研修では、オンライン型研修は減り、対面型が大幅に増えました。
またビジネスマナーの研修数について、コロナ前と比較すると、ビジネスマナーの研修数が戻ったようにも感じました。
コロナ前は「マナーより具体的なスキルの内容」の研修を求める声が新人から多く挙がりました。
その結果、例えばプレゼンテーション研修とビジネスマナーを組み合わせる。そしてプレゼン研修の中で、自身の言葉遣いや立ち居振る舞いも合わせて確認する、このような形式が増えていました。

コロナ禍で人と接する機会、また会社訪問もしづらい状況となったため、人と関わる際の基本のマナーを知るチャンスも減ってしまいました。このような背景もあり、「人間関係を構築する上で必要なビジネスマナーを、入社時に改めて確認してもらいたい」と考える企業が増えたようです。

ビジネスマナーに関する情報の中には、時代に合わない、都市伝説的な謎のビジネスマナーが多々あります。例えば「ドアノックは絶対3回!」「名刺交換は相手より下の位置から出さねばならぬ」など。ノックの目的は、「これから入室しますが、よろしいでしょうか」という合図。回数を限定する必要はありません。現状、ノックの回数の目安は日本では2~3回、英国の場合は4回と言われています。しかし、海外ドラマ等を観ていると、欧米では5回ほどノックしている場合もあります。
仕事と同様、マナーも目的と意義を理解する必要があります。

ビジネスマナーも時代によって変わります。15年前はNGだったが、今はOKの例として、いくつか挙げると
・スーツの時のリュック  ・女性のパンツスタイルについて(昔はスカートスタイルが推奨された)
・寒い時期の女性のタイツ問題(以前は真冬でもタイツNG、ストッキング着用)など。
効率と体を守ることを考えたら、PCを持ち歩く事が多い今はリュックが便利、動きが多い場合はスカートよりパンツスタイルの方が断然動きやすい、そして極寒の時にストッキングなんて体に悪過ぎる。

多様性の時代。ビジネスマナーも時代に合わせて、働く人が働きやすい環境で働くために、変化していくことが大切です。

【日本のマナーについて】
諸説ありますが、日本のマナーは、「相手を尊敬し、その思いを伝えるための立ち居振る舞い」として整えられています。この相手を尊敬し思いやる心は、孔子の「仁」*の価値観が軸となっています。
*仁・・・「克己:自己の欲求や我意を抑える」「恕:自分が望まないことを他者にしない心遣い」
「忠:自分を偽らない」「信:他人を欺かない」
現在広がってる日本のマナーは、フランス語由来の上意下達の意味であるetiquette(エチケット)と
ラテン語由来の手法を意味するmanners(マナー)の2つの意味と仁の考えが含まれています。

2020年9月22日
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「やっぱり直接話したい」

2020年の研修のスタイルは、オンラインが急速に広がりましたが
この秋から少しずつ集合研修が戻ってきています。想定外の展開です。
9月の集合研修の受講者のアンケートを見ると、「やっぱり集合研修の方が良い」という感想が増えています。

なぜ「集合研修の方が良い」という意見が多数出るのか。
受講者の立場で考えてみます。
主な理由として
・直接話した方が、情報がたくさん入る
・オンラインの画面で話すことに慣れていないため、画面上のコミュニケーションは疲れる
オンラインで会話することに慣れれば、疲れの問題は解消に近づきます。
しかし、情報量の問題解決はまだ課題があります。

ここで情報、情報量の視点で整理します。
オンライン研修での情報量の問題は2つあります。

1.オンライン研修の場合、集合研修よりも細かいタイムラグが多く発生する。
このタイムラグが積もり積もると「時間がなくなり、研修内容の最後まで到達しなかった」ということが起こります。
例えば、「5章までの予定が4章までしかいかなかった」ということが起こるということです。

2.グループワークが途中終了となり、発表できない受講者が出ることがある
 (短時間研修で、受講者が大人数40名以上の場合)
オンラインでグループワークを進めている時、
講師は全てのグループの状況を一度に確認することは出来ず、状況がわかりません。
結果、時間で区切ることになり、グループワークが中途半端のまま終了ということも起こります。
グループで発表できない人がいると、発表した人の意見の情報のみとなり、
全体として情報量は少なくなります。

そして、オンラインではコミュニケーションの難しさもあります。
集合研修でグループワークを進めていると、
「初対面だけど直接話しているうちに、深い話になっていた」ということが多々あります。
しかし、オンラインかつ初対面だと、受講者は遠慮がちになり、
「なかなか本音は話せない」となってしまう。
本音が話せないと、深い話にはなりにくい。
結果、情報の質にも影響します。
やはり、人と会って話すと多くの情報そして、学びがあることを痛感します。

以上、オンラインの悪い点を列挙する内容になってしまいましたが
今後は状況に合わせて、集合研修かオンライン研修か選択していけば良いと思います。
オンラインには最大のメリットである「安全・安心」があり
まだまだ多くの可能性があります。
集合研修と同じクオリティーを出すための方法を、これからも探していきます。

「人と会って話せることは貴いこと」は、今回のコロナ禍を通して改めて再確認出来ました。
寒くなると、これまで以上に気は抜けませんが
人間の適応力を信じて、出来ることはしっかりと進めていきたいです。

2020年9月6日
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短時間研修の難しさ 「何を捨てるか」

秋は研修シーズンですが、今年はコロナ禍のため
集合研修(対面型研修)は開催が減少。
開催しても、研修時間は短くなっています。一方で、オンライン研修は増加。
受講者にとって「オンラインで7時間」は、受講者の疲労度が高くなるため、
オンライン研修の時間も短くなっています。

研修時間を短く、例えば「7時間で進行していた内容を4時間で進める」という場合
「何を捨てて、何を残すか」という点を明確にする必要があります。
「何を捨てて(削って)4時間にするか」、内容の選択です。

研修を提供する側が考える「捨ててもいい内容」と
研修を依頼した側が考える「捨ててもいい内容」は、ズレることもあり
ご担当の方との打合せは必須です。
このズレを解消せずに研修本番になってしまうと
最悪の場合「意味のない研修」、つまり「ムダな時間」
となってしまうこともあり、これは絶対に避けたい状況です。
研修時間変更がある場合は、目的と内容の再確認をおススメします。

また「短時間で完結しなくてはいけない」という点から
「講師の技量がわかるのは、短時間研修」という考え方もあります。
ある程度の時間が確保されていれば、最初の失敗を挽回するための
調整時間も確保できます。
しかし短時間研修の場合、失敗して挽回できる時間が少ないため
“一発勝負”の状況になってしまうのが現実です。

スムーズな短時間研修の進行のために
研修内容やテキストを吟味し、細心の注意を払ったとしても、
想定外が起きるのが研修。
特に初回の研修では何が起きるかわかりません。
想定外のことが起きた時、早い段階で軌道修正できる講師が
技量の高い講師です。

具体的には「予想よりも内容が多過ぎた」場合
研修中に「どこを捨てるか」を考えながら進められる。
「内容が少なすぎた」場合は
「追加の内容として、何を入れるか」を考えながら進められる。
短時間研修はタイムマネジメント力も求められ、ミスも許されない。
講師にとっては緊張度が高くなることもあります。

内容面について、短時間では伝えられることが限られるため
内容を深く掘り下げることは難しくなります。
「深く理解したいならば、ある程度の時間は必須」
残念ながら、これは事実なので
現状としてはすっきりしないかもしれません。

許されるのであれば
今は「状況が落ち着いた時に腰を据えて学ぶための準備期間」と捉える。
現在の最優先事項は、自分の心と体を労わること
と、個人的には思っています。

短時間でも提供できることはあります。
出来ることをしっかりと考えて進めていきたいです。

2020年8月12日
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元気が出ない時

この夏は、モチベーション向上!の研修の登壇が続いています。
コロナ禍に伴う様々な変化で
「心身ともに疲労困憊」という方が急増しているからでしょうか。
7月初めの頃、私もあまり芳しくない状況で、
「自分の気持ちが落ちている」ことを、はっきりと自覚していました。

疲れている時=元気がない時に
モチベーション向上は不可能です。
元気が出ない時は、私はまず
『マイナスの状態をゼロベースにすること』を目指します。
このような時、私がいつも心がけていることは、主に3つです

・気分転換をする
・新しいことを始めない
・早寝早起き

今は、気分転換法については制限があるので
出来る範囲となってしまいますが
早寝早起きで生活を整えると、体調も整い
気持ちも少しずつ回復する実感を得られます。

疲れを感じている時は、睡眠時間が増えることもありますが
「体が回復するために必要な時間」と考え、気にせず眠っています。

元気がない期間に、早起き出来た場合
自分をほめてあげることもあります(笑)
「とりあえずきちんと起きてるし、大丈夫」

「小さな成功体験が自信につながる」と
よく言われますが
早起きという些細なことでも
朝から気分よくスタートできると、1日穏やかに過ごせます。

いつも元気が理想ですが、現実は厳しいもの。

元気が出ない時は、気分よくスタートできる工夫をする。
おすすめです。

2020年6月26日
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どこで仕事をするか

仕事のため、6月の初めに大阪、そして6月下旬に名古屋へ行きました。
コロナウィルスの状況が落ち着き初めていることもあり、街を歩く人から明るさを
感じました。一方、東京は・・・。
まだまだ気が抜けない状況のため、東京は他の地方都市とは違った
緊張感があります。

研修もオンラインが多いですが、最近よく聞くご意見として、
「会社の人と、対面で話したい」。

「オンラインで話そうと思うと、『アポを取らないといけない』という煩わしさがある」。
また、「ちょっとしたことを聞きたいけれど、テレワークの場合それはできない・・・」。

『誰かが近くにいることの良さ』をこの3ヶ月で痛感したということでしょうか。
チャット機能やスカイプなどのツールとしてはあるけれど
ツールを介さずに会話する気安さ、これが全くなくなるというのは、淋しいものです。

気軽に話せないという点から、今年入社した新入社員の中には、大変な環境にいる方もいます。
OJTを直接受けることができない。『見て学ぶ機会』がないために
仕事の基本スキルを身につけることも、とても難しい環境なのです。

「久しぶりにオフィスへ行くと、オフィスのありがたさを感じる」という声もよく聞きます。
テレワークのみでは仕事が進まないため、出社の体制を進め始めた企業もあります。
この状況におけるベストな方法は、会社によって違うので、会社毎の判断が必要になってきます。

「どこで仕事をするか」というこの問題は、社員全員に関わること。
状況によって判断しなくてはいけないというパターンの中でも、最難関の問題です。

各組織が出した答えを見ていると、実感することは
「緊急時には、組織の考え方が顕著に現れる」

社員の方が強く感じていることだと思います。

2020年6月21日
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解決策は、みなさんが持っています

2019年までは、外部の研修会社が行う研修は、
ディスカッションやグループワーク中心の参加型研修が一般的でした。
座席はグループ形式。この場合の講師は、『知識を付与する先生』というより、
『ファシリテーター』としての役割が出来ることが求められていました。

知識付与型ではなく、なぜディスカッション形式が主流だったのか。
これはインターネットの台頭が大きく影響しています。

『google先生』と呼ばれるように、インターネットには情報があふれていて
調べればある程度の答えを知ることはできます。(正しいとは限りません)

会社でしっかりと仕事をしている方々は、基本的に真面目で学習意欲も高い。
このような方々は、疑問があると、まずネットから情報収集。
調べて、そして専門書を読むと、その分野の基本知識はある程度、体得することができます。
仕事へ活用、反映することも難しくない。

このような流れが確立しつつある今、研修会社としては何を提供すべきか。
それは、『自分の知識を磨く場、客観的に捉える場、他の人の考えを聴く場の提供』と私は考えています。

今の研修後のアンケートで多い感想は
「意見交換を通して、いろいろな考えを知ることができてよかった。仕事に活かします」。

「ネットの答えでも、専門書にある答えでも、この現場では使えない!」
このような場合に、研修を活用することができるということです。

同じ種類の悩みを抱えている人と、情報共有やディスカッションすると、
抱えている問題の道筋が見えてくることが多々あります。

現場での問題解決は、現場を良く知っているみなさんが解決できる。

私たちは、解決の“ヒント”を数多く提供することを目指しています。

2020年6月17日
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オンライン研修を3 ヶ月経験して~講師の立場から

オンライン研修(webinar)の良い点
・どこにいても、参加できる
 研修会場までの移動コスト(移動時間、交通費)がかからない
・事前の予習次第では、理解がさらに深まる
・自宅や職場など、慣れた環境で受講できるので
 個人ワークのパフォーマンスが上がる など。

オンライン研修の課題(集合研修の方が良い点)
・web環境や操作に慣れてないと、情報を受け取れないことがある
 意見を伝えられないことも起こる。
 また会社のセキュリティーポリシーによっては、web環境を整えられないため
 研修そのものが受講できない。 例)会社によってはzoomは使用できない
・集合研修よりもディスカッション等に時間がかかるため
 提供できる内容が少なくなる
 例)集合研修だと5章可能だが、オンライン研修だと4章までしか進まない
・受講者の疲労度が高い
 例)1日研修(7時間)の場合、集合研修だと集中力は保てる。
   オンラインの場合は、4時間が限度?

良い点と悪い点で整理しました。他にもいろいろとありますが
現状でいうと、オンライン研修の最大の良い点はやはり「安心・安全」。
当然、マスクなしで受講可能。
マスクが苦手な人にとっては、ストレスも少なくなります。

最後に、講師の立場から。
慣れてくると、オンラインで登壇の方が疲労度は低いです。
ご参考までに。